来沖中のフィリピンのオルランド・メルカド元国防相は20日、沖縄タイムスなどのインタビューに応じ、フィリピンでの米軍の活動を定める訪問軍地位協定を締結した経緯などについて語った。自国に不利だった協定を改定できた理由を問われ「問題の重要性を見失わないことだ」と強調。長期的な視野を持ち、問題に取り組む必要性を説いた。
メルカド氏は上院議員時代、米軍の駐留延長を拒否。米軍は基地使用の根拠を失い、1992年にフィリピンから撤退した。98年には国防相として、訪問軍地位協定の締結による米比関係の再構築に取り組んだ。
米国がフィリピンで使用可能な基地は9カ所で、メルカド氏は「フィリピンが戦略的に重要になっている」と説明。一方、安全保障と環境問題は関連するとし「今は重要ではないように見える問題の戦略的重要性を見失わないようにすることだ」と、長期的な視野で問題意識を持ち続けるべきだと助言した。
メルカド氏は同日、県庁で池田竹州副知事とも面会した。メルカド氏は、県が22日午後2時から那覇市のてんぶす那覇で開催する日米地位協定を考えるシンポジウムに登壇する。 (政経部・嘉良謙太朗、又吉俊充)