平和へ官民の外交重要 盛岡・九条の会東北交流会 猿田代表(新外交イニシアティブ)が講演

九条の会東北交流会は24日、盛岡市中ノ橋通のプラザおでってで開かれた。外交・安全保障について政策提言するシンクタンク、新外交イニシアティブ(東京)の猿田佐世代表(48)が講演し、平和のための官民あらゆるレベルでの外交の重要性を説いた。

約120人が聴講し、オンラインでも配信。猿田代表は「トランプ政権下で、人類が目指してきた『人権・民主主義・法の支配』が壊されている」とし、揺らぐ日米関係と想定される展開を説明。台湾有事で日本が戦場となる懸念を示し「中国との戦いだが、防衛予算を倍にしたとしても全くかなわない」とした。

日本がすべきことの一つは対立緩和の外交だとし、「米国と中国いずれかを選ぶことを望まない」とする近年の東南アジア諸国を例として紹介。政府も市民社会も日常的に協力関係を築くことが緊急時に生きると強調した。「耐えがたい戦争を受け入れる困難は、外交による問題解決の困難を上回る」と締め括った。

盛岡市黒石野の団体職員五十嵐久美子さん(65)は「まずは自分ができることをしていきたい」と話した。

交流会は、東北各県の「九条の会」で構成する実行委が主催した。

※岩手日報の許諾を得て掲載しています

20205/05/25 岩手日報2面