番組の概要
新外交イニシアティブ(ND)の猿田佐世代表が20日、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」にコメンテーターとして出演しました。番組では、米の価格や猛暑の影響、また、訪日外国人をサポートする観光案内所などのトピックについて映像で紹介された後、イスラエルとイランの軍事衝突に米トランプ政権がどう対応するかというテーマではパネルを使って、議論が進められました。
各テーマの猿田代表の発言
イスラエルとイランの軍事衝突により緊張が高まる中東情勢で、トランプ米大統領がイランへの軍事行動を2週間以内に決断するとしたニュースを基に、コメンテーターが意見を求められました。猿田代表は「今回はイスラエルの先制攻撃が発端。国際法違反でもあるので、日本政府も当初強く非難していた。しかし、米国がイスラエル寄りであるため、G7で出された声明はひたすらイスラエル寄り。米国が攻撃するのかどうかについて注視するのは大事だが、まずは戦争を止めなきゃいけない。これまで日本政府は中東で、中立外交でやってきた。なぜ今の事態となったかに立ち返って、停戦に向けて米国に働き掛けることを強く求めたい」と、日本政府の対応を呼び掛けました。
また、核不拡散条約(NPT)に加盟せず事実上の核兵器保有国であるイスラエルとNPT加盟国であるイランに対する米国の対応の違いについて、猿田代表が「二重基準が明確で、米国の威信の失墜につながる。世界の大半の国、グローバルサウスの国からすると、米国にはもうついていけないという最後のとどめになったのでは」と世界における米国の位置付けの低下について述べると、解説の慶応大学・田中浩一郎教授も「グローバルサウスが米国やG7から離反することは、必然的に中国、ロシアに近づくことになるので、東アジアや日本の安全保障にも響いてくる」と影響する可能性を指摘しました。
最後は、追い詰められたイランがホルムズ海峡の封鎖に踏み切ると、原油の輸入を中東地域に依存する日本は深刻な状態に陥る可能性があるとの点について議論になりました。猿田代表は「遠方での戦争のように思うかもしれないが、資源がなく、食糧自給率が低い日本は平和の中で繁栄してきた。ウクライナ戦争による物価上昇もそうだが、今回のイラン・イスラエルの戦争についても日本も大きな影響を受けるのであって、どのように平和を維持できるかは日本にとってもとても大事。世界では力で支配する傾向が強まっているが、私たちは「法の支配」を掲げてきた。弱肉強食の世界の中で日本は、弱者の側になる可能性が高く、「法の支配」が守られるような世界を作っていく意識がすごく大事」と述べ、力ではなく、「法の支配」を追い求める姿勢を鮮明にしました。
なお、番組冒頭の話題はコメの価格についてでした。備蓄米の放出でコメが値下がりしたことについて、猿田代表は備蓄米を前夜食べて、美味しかったとの感想を口にしました。その上で「たくさん、お米を市場に流せば、安くなるのは当たり前のこと。長期的な視点で考えて、どうして今回、こういうことが起きたのか、農業、特に稲作の将来的展望が厳しい中で、主要な食糧であるコメを守れない政策を根本的に考え直す機会にしていただかなければ」と述べました。
また、続いて6月の猛暑で大根やトマトなど農作物に深刻な被害が出ている反面、関東でも暑さ知らずの千葉県勝浦市に移住した人たちが紹介されました。猿田代表は「全員が東京から涼しいところに逃げるわけにはいかない。気候変動問題について、これからどうすべきなのか。“ちゃんと対策を取らない地球が危ない”と、みんな思っているので、真正面からそこを取り組む報道をお願いします」とコメントしました。
訪日外国人観光客が困った時に駆け込む外国人観光案内所をテーマにしたコーナーでは、いくつかの具体例を挙げて、職員の対応ぶりが紹介されました。猿田代表は「丁寧で心温まる対応は日本の宝。日本の思い出は素晴らしくて、日本の人たちは良い人たちだった、と海外の方に思ってもらえるのは安全保障の観点からもすごく良いこと。外国の方と接するときは、一人一人が日本の大使のような役割を担っている。おもてなしの精神はすごく大事な日本の文化なので続けていきたい」と指摘しました。
TVer見逃し配信(2025年7月2日まで)
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