民主主義遠ざける議員定数削減|「羽鳥慎一モーニングショー」猿田佐世ND代表発言 (25/10/20)

番組の概要

新外交イニシアティブ(ND)の猿田佐世代表が10月20日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」に出演しました。パネルを使って議論するメインのコーナーでは、自民と維新が連立に向けた合意書に調印する見込みとなり、自民党の高市早苗総裁が明日21日に行われる首相指名選挙で女性初の首相に選出される可能性が濃厚な状況の中、維新が連立の条件として求めた議員定数の削減が及ぼす影響に焦点が当てられました。

猿田代表の発言

維新は連立の絶対条件として、議員定数を1割削減する法案の年内成立を強く求めています。具体的には衆議院の比例代表を対象とすることで調整が進められており、自民党執行部はこれを受け入れる方針だということですが、野党からは強い反発があり、公明党の斉藤鉄夫代表は「企業団体献金の協議が進まないから定数削減の話に持っていくのはすり替えだ」と批判したほか、比例区に依存する他の多くの中小政党が反対の姿勢を明らかにしています。また、連立を組むことになる自民党や維新の中にも戸惑いや驚きの声が上がっていることなどが映像で紹介されました。

この後、自民と維新の連立政権に向けての動きについてコメンテーターが議論。自民党と連立を組むにあたって、維新は大臣を出さない閣外協力の意向を示していることについて、猿田代表はコメントを求められ、

「高市さんが総理大臣になった後も、ずっと維新に自民党が振り回され、維新の言うことを聞き続けなくちゃいけなくなるんじゃないのかな、と思っています。連立に入って協力するための条件として、副首都構想とか、社会保険料の引き下げとか、国会議員定数の削減と言っていて、自民党は、今まで選挙で(維新と)ぶつかってきたようなテーマでも前向きな姿勢を示して、なんとか高市早苗総理大臣を誕生させたいということなんですけれども、維新は〝不信任決議案が出たら、賛成しますよ〟と、自民党を脅し続けることができるわけじゃないですか。そうすると、衆議院で35人しかいない維新が要所でキャスティングボートを握ってしまう、そういうことにはならないんですか」

と、質問を投げかけました。

また、議員定数を1割削減した場合の影響については、比例代表に依存する中小政党ほど大きな打撃を受けるとの分析が示されました。この問題について、猿田代表は

「今日はこれだけ言えればと思って来てるんですが、(維新は)“身を切る改革”って言うんですけど、切られるのはあなたです。このテレビを見ていらっしゃるあなたです。」

「議員って誰かっていうと、本当は全員で議論して国を運営していきたいんだけれども、それはできない。だから、私たちの代わりに私たちの声を運んで議論してもらうために、私たちが選んだ代表なんです。議員は、私たちの声なんですよ。彼らの人数を削減すると、今、既に遠ざかっている政治がもっと遠くなっていく。

日本は議員の数が地方を含めてもすごく少ない。本来の民主主義のあり方を実現するためには、声をちゃんと運んでくれる人が一定数いなきゃいけない。先ほど、“民主主義は数なので”との発言が(他の方から)ありましたが、最後は数なんですが、ただ数の前にいろんな民意を吸い上げて、そして国を作っていくというのが民主主義です。

少数政党の立場から申し上げているわけではなくて、自民党や維新に票を入れている方にとっても、あなたの隣に、困った時に「これやってください」って言える政治家がいますかというと、いないんですよ。

政治に不信があるなら、おかしなことをやっている人たちは選挙で落としていけばいい。金と政治の問題で不信があるなら、企業団体献金の規制をしていけばいい。解決の方法が違う。

繰り返しになりますけれど、かっこいいこと言えばいいもんじゃないんですよ。“身を切る改革”って言いますけど、切られるのはあなたであり、私である。今日はそれだけ言いたくて来ました」

と、議員の定数削減が民主主義のあり方に及ぼす悪影響を指摘しました。

※番組は放送から数日後に無料動画配信サービス「TVer(ティーバー)」で配信され、一定期間ご視聴いただけます。
https://tver.jp/series/sr83kmd6bw