日本外交は「米中対立思考」からの脱却を ~植民地主義に戻ったの米国 物価高対策そっちのけの解散総選挙|「羽鳥慎一モーニングショー」猿田佐世ND代表発言 (26/1/19)

国境を越えて日本の多様な声を届ける「新外交イニシアティブ(ND)」の猿田佐世代表が1月19日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」にレギュラーコメンテーターとして生出演しました。番組の前半では、グリーンランドを巡り、派兵して演習を実施した欧州各国に対し、領有を目指すトランプ米大統領が関税で対抗しようとするなど、欧米間で表面化した亀裂が取り上げられました。また、パネルを使って議論するコーナーでは、高市首相による解散総選挙、それに立憲民主党と公明党による新党結成がどう影響するかなどについて各コメンテーターが意見を述べました。

グリーンランド問題

日本外交は「米中対立思考」からの脱却を

グリーンランドに対するトランプ大統領の動きについて、猿田代表は「就任演説でも領土の拡大について話していた。ベネズエラの例を見ても、侵攻する前は麻薬とか移民が理由と言ってましたが、侵攻後は石油の管理の話になっており、グリーンランドも資源目当てだと思う」と豊富な資源が目的ではないかと話しました。

猿田代表はトランプ大統領が国際協調主義を壊し続ける現状を「今はもう、米国、特にトランプ大統領の思考が、かつての十九世紀の植民地主義、帝国主義の時代に戻っているのではないか、とも言われている」と分析し、そうした中での日本について「私たちは“米国と中国の対立の中で日本はどうするのか”という話ばかりするが、そういう時代は終わりかけているのではないか。“勢力圏”という考えが米国にあり、西半球は米国、それ以外はロシアと中国で適当にやってくれという雰囲気も漂い始めている中で、これから日本は“どんな世界にしていきたいか”が問われる。もちろん米国も良くないし、中国も人権侵害の問題もあり良くない。どちらに対しても悪い時には悪いと言う必要がある。米中対立の中での日本の立ち位置だけを考えている安保政策はおしまいにすべきです」と、米中対立という枠の中での外交から脱却すべきだとしました。

高市首相の解散総選挙と新党結成

物価高対策をせずに解散総選挙

猿田代表は「私たちがこの3カ月、高市政権が始まってから主として議論してきたのは物価高だったが、それについて消費税は今回各党が揚げていて争点にならない。そこで選挙になると、他にいろいろやらなければいけないことがあるのに、またこの後1カ月ぐらい政治が止まってしまう。1月は予算審議の時なので過去に解散した例は2回[1]しかない。その一回である海部内閣の時には6月まで予算が成立しなかった[2]。あれだけ〝働いて、働いて、働いて、皆様のために頑張ります〟と言っていたのに、一番やってほしい物価高について何もしないまま〝もう選挙ですか〟という思い。“働いて働いて、働かずに選挙ですか”ということを言っている方もいらっしゃいますけど、高い支持率に任せて、有利な結果が出るだろう今、選挙をやってしまおう、というのが高市氏の考えだろう」 と、大事な時期に政治を進めることなく、選挙に走った高市総理の判断にクエスチョンマークを付けました。

[1] 異例ずくめの解散・総選挙法改正後初の通常国会冒頭解散・戦後最短の選挙期間|読売新聞(26/1/19)
https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20260119-GYT1T00399/
[2] 衆議院「1月解散」は過去2回 局面を打開、予算の年度内成立は困難に|日本経済新聞(26/1/15)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA111IP0R10C26A1000000/

公明党は原点に戻るべき

猿田代表は立憲民主党とともに新党を立ち上げることになった公明党について「公明党の『原点』って何なんだろうと調べさせていただいた。今、立憲と公明がくっつく中で公明が一番右の立場になって、基本的にそれに立憲が譲歩して乗っているという形に今回なっているが、公明党の政策を読むと、例えば最終的には『原発に頼らない社会』とか『脱原発依存』とかいうことを書いてある。安全保障について、例えば安保法制の時も、創価学会という一番の支持母体は限定的な集団的自衛権ですら反対と言っていた。自民党と連立を組んでいく中で、“歯止め”の役割を担うということで、毎回『これだけやりたいよ』という自民党に対して『いやいや、そこまではやれない。私たちは我慢してここまで譲歩するけど、歯止めぐらいになるよ』ということが続いてきた。その“歯止め”の役割は大きかったし、その存在は大事だった。しかし、今はもう連立を組んでいるわけではないので『歯止めとして頑張ります』と言う必要はもうなくなった。自分たちは『こういう日本にしたいんだ』ということを真正面から出すべきだろうと思う。なぜ“歯止め”でしかなかった時の公明のままでいるのはなぜなんでしょうか。 “公明党支持者の方々が本当にやりたいことって、平和の問題でも原発でも何だったんだろう”という、『原点』に戻るのが公明党にとってすごく大事なんじゃないかなと思います」。自民党と連立を組んでいたころの歯止め役から、原点に返るべきと求めました。

新党結成で立憲のスタンスは?

猿田代表は「高市政権に対する対立軸をとにかく大きくしっかり作りたいというのが目的なので、これだけの譲歩をしているという理解でよろしいんでしょうか」と新党結成の狙いを確認した上で、これまでの立憲民主党と共産党、社民党との協力関係について指摘し「今まで野党共闘というと、立憲と社民、共産党という話だったのですが、今回、公明と組むことになって、元々の野党共闘の話は出てきません。ただ、現場では、実は一生懸命立憲の候補者を共産の支持者の人が応援していたりします。思いが強い方っていうのは選挙もものすごく頑張るので、実はそこに支えられていた立憲の議員も多い。しかし、新党中道の政策は、例えば、安保法制など公明寄りになるのではないかなどと言われていますが、その辺りの影響はどうなるのか、立憲民主党の執行部はそこをどういう風に考えているのか」と、これまでの立憲のスタンスが公明党との新党結成でどう変わるのかについて気に掛けていました。

※番組は放送から数日後に無料動画配信サービス「TVer(ティーバー)」で配信され、一定期間ご視聴いただけます。
https://tver.jp/series/sr83kmd6bw