石破氏 新基地「検証を」現行計画推進に疑義

【東京】自民党の石破茂元防衛相は2日、都内で開かれた共同通信加盟社論説研究会で、名護市辺野古の新基地建設を巡り、政府が進める現行計画の再検証が必要との考えを示した。石破氏は「海洋工学の専門家ではないが、時間をかけて検証しないといけない」と見解を述べた。軟弱地盤の存在が発覚し、工期・工費が大幅に膨れ上がる中、疑義を唱えた格好だ。

新基地建設を巡っては、中谷元・元防衛相も軍民共用など独自案を提言しており、自民党内から運用見直しを模索する動きが相次いでいる。

石破氏は「これ(現計画)しかないんだ、とにかく進めるんだということだけが解決策だとは思っていない」と指摘。ただ、計画見直しにより「普天間の危険性が、そのまま残存されるとすれば、これもまた無責任な話だ」と述べ、返還手法や抑止力維持の観点と併せて議論する必要性を説いた。

案の一つに高速輸送手段の導入を挙げた。シンクタンク「新外交イニシアティブ」(ND)などが、部隊の活動を支援する高速輸送船を日本側が提供すれば、辺野古移設でない手段で普天間返還が実現できると主張している。

また石破氏は、日米地位協定の改定について「運用の改善ではもはや限界で、これを変えていかなければいけない。これは私の信念に近い」と強調、協定見直しに積極的な姿勢を示した。

※提言書「今こそ辺野古に代わる選択を-NDからの提言ー」はこちらから読むことができます。併せてご覧ください。