民間シンクタンク「新外交イニシアチブ(ND)」は5日、名護市辺野古の新基地 建設の現状を、県と国との裁判から読み解くオンラインイベントを開いた。辺野 古関連訴訟で県の代理人を務める加藤裕弁護士が登壇し「地元の民意に基づいて 知事が判断していることに対して、国が簡単に介入できる仕組みが作りだされて いる。一連の裁判に通底しているのは、地方自治が踏みにじられているという問 題だ」と強調した。
ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使い、約100人が参加した。加藤弁 護士は、辺野古県民投票の会元代表の元山仁士郎さんと共にこれまでの経緯を振 り返った。法廷闘争は、翁長雄志前知事による埋め立て承認の取り消しは違法だ として、2015年11月に国が県を提訴したのを皮切りに9件行われ、2件が係争中だ と説明した。
国に有利な判決が続く中、裁判をする意味を問われた加藤弁護士は「県が通常 の権限を行使しているのに、国が攻撃をしてくる。火の粉は振り払い続けなけれ ばならず、裁判で争うのもやむを得ない」と述べた。「簡単にはいかないが、努 力次第では裁判所を説得して変えることはできる」と、司法の場で闘う意義を強 調。辺野古の問題について全国的な関心を高める必要性を説き、「沖縄県民だけ が頑張るのでは難しい。全国の民意でひっくり返す作業をやらなくてはならな い」と理解を求めた。