研究・報告

猿田佐世ND代表が「羽鳥慎一モーニングショー(2025年6月30日)」に生出演しました

番組の概要

新外交イニシアティブ(ND)の猿田佐世代表が6月30日、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」にコメンテーターとして出演しました。番組では、日米の関税協議や猛暑、大谷翔平選手の成績などのトピックスについて映像で紹介された後、米トランプ政権がNATO加盟国に防衛費5%の増額を求め、それが日本にどう影響するかというテーマではパネルを使って、議論が進められました。

各テーマの猿田代表の発言

先のNATO(北大西洋条約機構)首脳会議にトランプ米大統領が出席し大変な厚遇を受けました。また、同大統領の求めに応じる形で、NATO加盟国は、各国の防衛費をGDP比で5%に引き上げることが決まりました。このテーマは、元海上自衛隊自衛艦隊司令官の香田洋二さんが専門家の立場で解説を挟みながら、各コメンテーターが意見を述べました。

猿田代表はトランプ大統領がNATOに求める5%増額について「トランプさんはいきなり数字ありきで5%と言ってきた。スペインの議員と話す機会があったが『なんで、押し付けで全部、決めてくるんだ』と言っていた」とのエピソードを紹介しました。

続けて「ドイツの人やどこの人と話しても、欧州の米国離れは日本から見ているよりもすごい。なぜ、(今回のNATO首脳会議で)恥ずかしいまでに(米国に)媚びを売っているかというと、ロシアとの関係で、米国が離れてしまうと困るから『抱きつき戦略』なんですね。でも、トランプさんは強い人が好きなので、プーチンさんが好き。政策もウクライナではなく、ロシア寄り。幾ら媚びを売っても、いざとなった時に、トランプさんがプーチンさんを切って、欧州の側につくのかというと、それも分からない。欧州では米国離れが進行しているので、陰では米国なしでの自立をどう実現するかという議論も進んでいる。そこはいろいろ日本も学べるところもあると思う」と、トランプ大統領が欧州の米国離れを生んでいるとの見方を示しました。

また、トランプ政権が日本に対しても同様の防衛費増額の要求を検討しており、それに日本はどう対応するべきかに話題が移りました。猿田代表は「忘れてはならないのは、3年前に日本はGDP比1%だった防衛費を2%に倍増したばかりで、それまではずっとGDP比1%以下というのが日本の防衛政策だったということ。それに、増額を求められても『どこから出すの?できるの?』ということ。仮に消費税で防衛費5%を賄うとしたら、消費税は16%になるという試算がある。しかし日本の現実をみれば、数週間後の参院選の争点は、消費税をゼロにするのか減らすのか。自民党は、消費税を減らすことはしないと言っているが、自民党の候補者に聞くと半分くらいは減らしたほうがいいと答えている。国民の負担を増やさないと防衛費増など実現できない。どこから出すのか、冷静に考えると難しい」と増額に応じるのは現実的ではないとしました。

さらにもし、トランプ政権が増額を求めてきた場合の対応について議論が及ぶと、猿田代表はNDが5月末に発表した政策提言「トランプ政権とどう向き合うか―求められる日本政治の胆力―」を紹介しつつ「防衛費の増額を日本が断ると、トランプさんの機嫌が悪くなって、米軍基地を日本から引くよと言ってくるかもしれない。その提言では『だったらどうぞ』と切り返す、政治家にはその胆力が必要、としています。日本がそう出ると、トランプ政権は世界戦略のための重要な資産を日本に置いておきたい、となるんじゃないかということも含め、胆力でちゃんと断るものは断る」と指摘しました。

番組全体の流れでは、まずトランプ関税への対応について話し合いました。猿田代表は「まさにジャイアンですよね。強者による政治ですよね。自動車とか、アルミ、鉄とか品目にかかっている関税というのは、米国の産業を守るという確信により置いているものなので、交渉でどうにかなるというものではない。もとはと言えば、WTOという制度があって、国際法的な視点で言えば、米国が勝手に合意したものを変えてきた。赤沢大臣が毎週米国に行っているが、そちらが合意破るんだから、米国が世界中回って交渉しなさいよと言いたくなる」と述べました。

次の話題で連日の記録的な猛暑が取り上げられると、コメンテーターで気象予報士の資格を持つ石原良純氏が気候変動の危険性を指摘。これに対し、猿田代表は「ある世論調査があって、3人に1人の方が選挙で投票する候補者を気候変動対策で選ぶ、との結果。米国や欧州に比べて、気候変動が話題になりにくい日本でも、3人に1人の方が強い危機感を持っている。この暑さですが、もうこれから、来年も、再来年も涼しくなるなんてことはないのでは。各党が今度の参院選挙でどんな気候変動対策を掲げているのか、比較サイトを探したけど、見つからなかった。気候変動対策は全人類、そして、日本において、ものすごく大事。近く選挙があるので、真正面から取り組んでいただきたい」と政治による対策を求めました。

投手と打者の二刀流が復活した大谷翔平選手の活躍が話題になると、猿田代表は「日本ではニュースになっていても、米国ではそれほどでもないというのは時々あるが、大谷選手の場合は米国人もホントにすごいなと思っている。ワシントンで政治家と話すときも、私が日本人だとみると、最初に「オータニ」と切り出して、会話がスムーズに始まるのでありがたい。日本をアピールしてくれている」と笑顔で話しました。

TVer見逃し配信(2025年7月10日まで)
https://tver.jp/episodes/epr5r6ns53x