戦争回避への外交政策提言 ~オンラインNDシンポ~

新外交イニシアティブ(ND、猿田佐世代表)は14日、オンラインでシンポジウム「ウクライナ侵攻から学ぶ戦争回避への道-力の抑止を超える骨太の外交を」を開き、衝突を未然に回避するための外交政策を求める提言を発表した。ロシアのウクライナ侵攻を踏まえて「日本は非戦の国際世論を先導すべき」とし、台湾有事を防ぐため「米中双方に自制を促して緊張緩和を進めるべきた」と訴えた。

提言ではさらに「防衛力強化のみに固執してコミュニケーションを欠けばやがて抑止は破綻する」とも指摘し「国民の不安が高まり、戦争の危機を実感する時期だからこそ、感情に流されない冷静な議論と多様な報道が求められる」とした。

シンポジウムで猿田代表は「外交や対話で平和をつくっていくためのヒントを得てもらって周りの人に伝えてほしい」と語った。

ND評議員で元内閣官房副長官補の柳沢協二氏は外交の重要性を強調し「戦争をしない方が利益が大きいと相手に考えさせ、武力による現状変更に踏み出す動機を起こさせないことが大事だ」と話した。防衛ジャーナリストの半田滋氏は「有事に離島からの住民避難を実現することは絶望的だ。政府は本格的な避難を自治体に頼るしかない中、国民を守るには戦争を回避する以外にない」と語った。

2022年6月26日 琉球新報2面