日米のプログレッシブ議員、バイデン大統領に核兵器先制不使用を宣言するよう要請

米プログレッシブ議員連盟
(2022年4月1日 ワシントン)

 米国による核兵器先制不使用を支持するようバイデン大統領と岸田総理大臣に要請する共同書簡が4月1日付で日米議員により提出された。両首脳に宛てに提出された同書簡は、バイデン政権が「核態勢の見直し(Nuclear Posture Review、NPR)」の報告書にて米国防総省が維持する核能力を公表したことを受けたものである。

 同書簡において、米プログレッシブ議員連盟(CPC)と日本プログレッシブ議員連盟(PCJ)を代表する米国35名、日本39名の議員は、紛争時に米国による最初の核兵器使用の不支持を宣言するよう両政府に促した。同書簡は、CPC議長プラミラ・ジャヤパル下院議員(ワシントン州第7区選出)、マーク・タカノ下院議員(カリフォルニア州41区選出)、バーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)、エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)、エド・マーキー上院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)、PCJ会長中川正春衆議院議員らが主導して提出に至った。

 事実上、両国とも「核の先制不使用」の立場をとっており、CPCにとっても長期にわたる優先課題であるが、ロシアが不法かつ不当にウクライナを侵略し、核兵器使用可能性が生じ緊張が高まる中、核兵器先制不使用の立場を明確かつ強固にすることが極めて重要である。同書簡は、「日本の支持の下、米国から核戦争を始めることは決してないとする核の先制不使用宣言は、核戦争の危険性を低減させ、最終的にはその危険性を完全に根絶するための国際的な努力に新風を吹き込むことになるでしょう。これは、核保有国間、とりわけ米中間の緊張が高まっている今だからこそ特に重要な取り組みです」と主張する。

 日本は、米国の核の「傘」で守られている非核保有国の一つであり、この核の傘は、傘の下にある国が核兵器による攻撃を受けた場合には米国が報復することを約束している。憂慮する科学者同盟(USC)は、日本政府は米国の核の先制不使用宣言を受け入れ、それに応じて独自の核兵器を開発するようなことはないだろうと分析する。その上で、先制不使用を宣言しても傘の下の国々に対する保障は変わらないだろうとする。

 共同書簡は、「米国政府は先般、『核態勢の見直し(NPR)』を終えましたが、核の先制不使用の宣言は今からでも遅くはありません。米国の核兵器についてのこの賢明な政策変更は、日米両国の私たち国会議員、および、私たちが代表する市民から圧倒的な支持を得ています」と結んでいる。

 同共同書簡に署名した米議員は、以下の通りである。
 プラミラ・ジャヤパル(民主党下院議員、ワシントン州第7区選出)、マーク・タカノ(民主党下院議員、カリフォルニア州41区選出)、ドン・バイエル(民主党下院議員、ヴァージニア州第8区選出)、アール・ブルーメナウアー(民主党下院議員、オレゴン州第3区選出)、ジュディ・チュー(民主党下院議員、カリフォルニア州第27区選出)、スティーブ・コーエン(民主党下院議員、テネシー州第9区選出)、ピーター・デファジオ(民主党下院議員、オレゴン州第4区選出)、ロイド・ドゲット(民主党下院議員、テキサス州35区選出)、ジョン・R・ガラメンディ(民主党下院議員、カリフォルニア州第3区選出)、ヘスス・G・ガルシア(民主党下院議員、イリノイ州第4区選出)、ラウル・グリハルバ(民主党下院議員、アリゾナ州第3区選出)、シェリア・J・リー(民主党下院議員、テキサス州第18区)、ハンク・ジョンソン(民主党下院議員、ジョージア州第4区選出)、アンディ・レヴィン(民主党下院議員、ミシガン州第9区選出)マイク・レヴィン(民主党下院議員、カリフォルニア州第49区選出)、テッド・リエウ(民主党下院議員、カリフォルニア州第33区選出)アラン・ローウェンタール(民主党下院議員、カリフォルニア州第44区選出)、キャロライン・B・マロニー(民主党下院議員、ニューヨーク州第12区選出)、エド・マーキー(民主党上院議員、マサチューセッツ州選出)、ジム・マクガヴァン(民主党下院議員、マサチューセッツ州第2区選出)、グエン・モア(民主党下院議員、ウィスコンシン州第4区選出)、エレノア・H・ノートン(民主党下院議員、コロンビア特別区選出)、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(民主党下院議員、ニューヨーク州第14区選出)、イルハン・オマル(民主党下院議員、ミネソタ州第5区選出)、マーク・ポカン(民主党下院議員、ウィスコンシン州第2区選出)、アヤンナ・プレスリー(民主党下院議員、マサチューセッツ州第7区選出)、ジェイミー・ラスキン(メリーランド州第8区選出)、バーニー・サンダース(無所属上院議員、バーモント州選出)、ジャン・シャコウスキー(民主党下院議員、イリノイ州第9区選出)、ラシダ・タリーブ(民主党下院議員、ミシガン州第13区選出)、二ディア・ベラスケス(民主党下院議員、ニューヨーク州第7区選出)、エリザベス・ウォーレン(民主党上院議員、マサチューセッツ州選出)、マキシン・ウォーターズ(民主党下院議員、カリフォルニア州第43区選出)、ボニー・W・コールマン(民主党下院議員、ニュージャージー州第12区)、ピーター・ウェルチ(民主党下院議員、バーモント州選出)

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