番組の概要
作家の島田雅彦さんと政治学者の白井聡さんが毎回、テーマごとにゲストを迎えて議論するインターネット番組「エアレボリューション」に、新外交イニシアティブの猿田佐世代表が出演しました。5月23日に配信された番組では「トランプ時代の日本の安全保障」のテーマで突っ込んだ議論を展開しました。
猿田代表の発言
猿田代表は2度目の出演だが、司会者のジョー横溝さんからあらためて新外交イニシアティブの活動の紹介を求められ、NDのパンフレットをスライドで映しながら説明。まず、日本で反対の声が上がっているテーマでも、米国にはそうした声が届いていない現状を変えようというNDの原点「あなたの声が外交に届きます」に触れた後、NDの3つの取り組みの柱である「訪米・コーディネート」「調査・研究」「シンポジウム・情報発信」のそれぞれについて短く説明した。また、具体的な取り組み例として、NDの最新の政策提言「トランプ政権とどう向き合うか -求められる日本政治の胆力-」を同番組出演3日後(5月26日)のシンポジウムで発表するとして紹介し、同時にシンポジウムの告知をして、番組の視聴者にも出席を呼び掛けた。
その後、番組の本題でもある安全保障にテーマは移り、猿田代表はまず「日本の一番大きな安全保障・外交の課題は、どうやって中国と仲良くしていくかということだと私は思っている」と指摘し、中国との関係について「中国と対話をしながら、少しでも摩擦を減らしながら、良い関係を、少なくとも戦争にならない環境を作っていくことが最も重要」と述べた。猿田代表はまた、NDでは、日本と米国、中国、韓国4カ国の研究者が毎年必ず一回集まって、インド太平洋地域の安全保障情勢について話し合う研究会を開催していることを紹介した。そして、その研究会の定期開催により、中国と米国の間に存在する緊張関係をどう和らげるか等について皆で議論をしながら、研究者間の深い人間関係を現実に構築していくことでの各国間の関係改善のための実践を今後も続けて行きたい、「新しい外交」を追求するからには、日本政府がやらないことをやっていきたい、と述べた。
その後、猿田代表は「トランプ政権が人権や民主主義、法の支配という普遍的価値を壊し、米国が自ら作った国連や米ドルを基軸通貨とした自由貿易体制などの『従来の国際秩序』を、トランプさん自らがボコボコに破壊している」との見方を示した。
また、猿田代表は、トランプ氏により、「何かあったときには日本が米国に守ってもらえる」という保証が崩れかかっている、と述べた上で、このトランプ政権の不確実性により、戦後80年目にして初めて、日米同盟を主軸にしてきた日本の安全保障議論が変化しつつあるとし、安全保障についての意見が「A.日米同盟強化、対米従属強化、防衛費負担増」と「B.トランプ政権には頼れないので、程度の差はあるが米国離れ」に分かれ、さらに「B」が「B1.日本独自の防衛力強化、核武装も排除せず」と「B2.防衛力は現状維持、外交努力に注力」に分けられるとの分類を提示した。猿田代表が示した整理をめぐり、島田さん、白井さんからの質問や意見が出され、議論は深まっていった。
【お知らせ】以上、「エアレボリューション」の無料パートをご報告いたしましたが、有料パートではさらに踏み込んだ議論が行われました。「エアレボリューション」は月3回、ニコニコ生放送とYouTubeで放送されており、ニコ生のチャンネル会員、YouTubeのメンバーシップ会員になれば、今回のアーカイブや有料パートも視聴できます。詳細は「エアレボリューション」でお確かめください。
YouTube 2025年5月23日放送エアレボリューション
https://www.youtube.com/live/6VQtx3XXpak?feature=shared
ニコニコ生放送 2025年5月23日放送エアレボリューション
https://live.nicovideo.jp/watch/lv347773821