研究・報告

ND Selection 第1号|2025/07/18

「ND Selection」にリニューアルします!

  • 報告書紹介:Big Ideas and Big Money: Think Tank Funding in America
    July 18, 2025

「ウィークリーニュース」としてND設立当初から続けてきた本メールマガジンですが、「ND News Selection」最終号にてお知らせしたとおり、「ND Selection」としてリニューアルいたします。これまで長く本メールマガジンの発行にかかわってきてくださったボランティアやスタッフの皆様のおかげで、休止の間リニューアルの準備を進め、この度リニューアル版第1号を発行することができました。

リニューアル版「ND Selection」では、NDの活動に関連する米シンクタンクの報告書をピックアップし、その内容(要旨)を紹介します。メールマガジンは月に1回程度発行し、毎回1~2本の報告書を紹介する予定です。幅広い内容の報告書をご紹介していく予定ですので、ぜひ毎号目を通していただければ幸いです。

ND Selection 第1号

Big Ideas and Big Money: Think Tank Funding in America

https://quincyinst.org/research/big-ideas-and-big-money-think-tank-funding-in-america/#h-think-tanks

この報告書は、アメリカのシンクタンクでプログレッシブな立場から政策提言をするクインシー研究所(Quincy Institute)によるもので、米シンクタンクの資金源について詳細に報告しています。

米国シンクタンクの資金源 資金提供者の狙いとは?

このレポートは、シンクタンクの資金源についてのデータベース“Think Tank Funding Tracker”に対する史上初の分析である。このデータベースで、外国政府、米政府、米国防総省の受注業者から米国のシンクタンク上位50社に対する過去5年の資金提供の実態をつかむことができる。全てかまたは一部の情報を開示しているシンクタンクもあるが、18社は資金提供者を開示しない“ダークマネー”シンクタンクである。また外国の政府や政府機関は過去5年で1.1億ドルをシンクタンク上位50社に提供しており、提供資金の多い順にUAE、英国、カタールであり、日本も8番目に位置する。同期間に防衛産業上位100社はシンクタンク上位50社に3億4700万ドル以上を支出しており、ノースロップ・グラマン、ロッキード・マーチン、三菱グループ(三菱重工、三菱電機等)が提供資金上位3社である。米国政府も2019年以降少なくとも14.億9000万ドルを直接米国シンクタンクに支出しており、その大半はランド研究所に対するものである。本来シンクタンクは独立した分析のための存在であるにも関わらず、利益誘導型の資金調達がまん延していることで、思想・言論の自由、自己検閲、多様な意見があることを妨げられないかという問題が持ち上がっていると結んでいる。

※NDの「日米外交システムプロジェクト」では関連テーマの調査をしています。
https://www.nd-initiative.org/topics/8674/