研究・報告

対等な日米関係? 第5次アーミテージ・ナイ報告分析

国際協調をかかげるバイデン新政権が対中方針を変化させるのか、世界が注目している。政権発足から一カ月の現時点では、若干質は違えど、前政権同様、中国に対して強く対峙するものになりそうである。

バイデン氏は二月初旬の外交演説で、冒頭、「米国は戻ってきた」と述べ、同盟国との関係を修復し、米国と張り合おうとする中国に対処するとした。前政権末期に台湾をめぐる米中対立が一気に悪化したが、氏は就任式に台湾の駐米代表を招き、強いメッセージを中国に送っている。

国務長官に指名されたアントニー・ブリンケン氏(元国務副長官)は、上院公聴会において、中国が最重要課題なのは「疑う余地がない」とし、トランプ政権の対中政策について、全てについてではないとしつつも、正しかったとの見方を示した。国防長官に指名されたロイド・オースティン氏(元中央軍司令官)も、公聴会で中国を「最も懸念すべき競合国」「すでに地域の覇権国で、その目標は支配力を持つ世界的な大国となることだ」と述べ、中国に対抗するため「同盟国とともに必要な能力を構築する」と述べた。大統領補佐官(国家安全保障担当)に就任したジェイク・サリバン氏も、就任後にオブライエン前大統領補佐官(トランプ政権)と登壇したシンポジウムで、オブライエン氏の「米国の国力を総動員し、同盟国やパートナー国とともに中国に対抗していかなければならない」との発言に、前政権の政策が継続される、と応じている。

日本で注目を浴びたのはホワイトハウスに新設された「インド太平洋調整官」へのカート・キャンベル氏の人事である。知日派とされる氏は、オバマ政権で国務次官補(東アジア・太平洋担当)を務め、「アジアピボット(アジア回帰)」を担当。日本政府内にはアジアのための最高位の新設と〝知った顔〟の任命で安堵感が広がっている。もっとも、氏には民主党鳩山政権時代に辺野古案回帰を支えたイメージも強い。長く対日外交に携わってきた同氏の下では新しい政策への期待は難しい。後に触れるアーミテージ・ナイの第一次報告書(二〇〇〇年)の執筆者の一人でもある。

氏は先日の論文(ラッシュ・ドーシ氏と共同執筆)で、インド太平洋戦略について、①勢力均衡の維持、②地域国家が正当性があると認める秩序の構築、③これらを脅かす中国に対処するために同盟国・パートナー国と連帯すべき、と説明。支配的優位の確立ではなく中国の冒険主義の抑止を目的に据えるべきとして、空母などの高額設備からミサイルなどフレクシビリティの高い装備への転換も求めている。同盟国等との協調行動を求め、米軍の前方展開は維持しつつも同盟国等の能力整備に力を貸すべきとする。そして、米国を中心としたハブ&スポークについて各同盟を「タイヤ」でつなぐべきと主張している。

もちろんバイデン政権には前政権との違いもある。新型コロナ対策や気候変動などのテーマでは中国と協力するとしているし、国際的なルールに反する突発的政策は影をひそめるだろう。追加関税やデカップリングなどの経済的措置についても節度を持ったものになると考えられる。

とはいえ基本的には厳しい対立が予想され、新政権の対中政策は「協力すべきテーマでは協力しながら、同盟国との協力の下、厳しく対峙する」ものだと言える。

米国の対日政策は対中政策の一部であり、日本を含めた同盟国への軍事強化や協力要請は日増しに増えるだろう。日米豪印の軍事連携であるクワッドへの期待も高く、バイデン氏自身も日米首脳電話会談でクワッドを評価したと報じられ、政権高官らもみな「インド太平洋地域の米国の政策における主要なメカニズム」(サリバン氏)などと、クワッド推進で一致している。

■米国専門家における対中姿勢の分析

現在、米国における対中強硬姿勢は「ワシントン・コンセンサス」とも言われるが、ライル・ゴールドステイン米国海軍大学教授は、現在の米国の中国専門家の対中姿勢を大きく三つに分け、第一は「価値」を重んじ人権等に高い関心を寄せるために強硬な姿勢をとるグループ、第二は「パワー」を重んじ軍事的にも経済的にも中国の拡張を封じ込めようとするグループ、第三は、懸念のトーンを少し下げ、気候変動など個別課題の解決のために中国と協力すべき場面があると考えるグループ、と説明する。前政権は第二グループの色が圧倒的だったが、バイデン政権は、最も強い第二グループの感覚とともに、民主党的な第一グループの感覚も強くもちあわせている。もっとも、テーマによっては中国と協力するとも明言しており、第三グループの要素も限定的に併せもっているといえるだろう。

なお、私がここ数カ月で意見を聞いた米国の中国専門家の大半が「米国が何をしても中国は変わらない」との意見であったのは衝撃であった。「それでも同盟国とともに軍事力で中国封じ込めの努力を」から「可能な協力をし、民主主義的価値観を中国が無視できなくするよう努める」など、「どうすべきか」についての見解は異なるものの、ハト派からタカ派まで、広く無力感が浸透している。

■米中対立を懸念する声

バイデン政権と同じ民主党内のプログレッシブ(進歩派)陣営は対中政策をどう捉えているのだろうか。サンダース旋風を巻き起こした進歩派は議席数を伸ばし、米下院プログレッシブ議員連盟は約一〇〇名を擁する一大勢力となった(下院民主党全二二一議員)。しかし、進歩派は国民皆保険など内政で支持を得てきており外交面での発言は多くない。もっとも、軍事力について抑制的姿勢で臨むことが多く、昨年は「軍事費を削ってコロナ対策に」と訴え、国防予算の審議時にも削減を求めるなど軍事力を前面に押し出す政策に異議を唱え続けてきた。彼らの外交についての発信はこれまで中東派兵反対や気候変動が中心であったが、中国が米国外交の中心課題になった今後は対中政策についての発信もなされていくだろう。彼らを支える人々は、選挙後、進歩派からも政府高官を任命するよう候補者リストを政権移行チームに送付して働きかけ、中国についても外交中心の関与政策を求めている。

中国との対立激化を懸念する声は少なくない。よく知られるところでは、国際政治の専門家百余名が賛同しワシントン・ポスト紙に寄せた公開書簡「中国は敵ではない」がある。二〇一九年の寄稿であり、賛同者の何人かはすでに姿勢を異にしている可能性もあるが、この手紙は「この書簡に多くの賛同が寄せられていることは、対中強硬一辺倒の唯一のワシントン・コンセンサスなど存在しないことを示している」と締めくくる。

ほか、草の根の声を代弁する進歩派のシンクタンク「政策研究所」のジョン・フェッファー氏も強硬論に懸念を示し、テーマ毎に中国と連携する選択的関与が重要であると筆者に語った。

また、二〇一九年に設立された「クインシー研究所」は、保守派・進歩派双方から資金を得ていることで話題になったが、この一月の報告書で、対中軍事抑止のための同盟のみでなく中国も含んだ協調的安全保障を、と提言した。米国の戦略は、中国の「接近阻止・領域拒否」戦略に類似する、中国からの攻撃への対応にむけたものにすべきであると戦略の大転換を求め、また、中国とアジア諸国の良好な関係を米国は歓迎すべきであるとワシントンのシンクタンクとしては希有な考えを発表した(なお、同研究所の最優先課題は「米軍の海外展開の制限」であるため、日本に防衛予算増を求めているといった点には留意が必要である)。

■インド・太平洋地域に派兵するヨーロッパ

新政権の対中政策の鍵は「同盟との協力」であるが、これに関して、日本近海が騒がしくなっている。

欧州各国が太平洋地域への軍艦派遣を進めているのである。英国は、年内に空母クイーン・エリザベスを含む空母打撃群を沖縄の南西諸島周辺を含む西太平洋に派遣するとし、米国も米海軍と海兵隊がそこに参加すると発表。仏軍も、今年五月に自衛隊や米軍とともに尖閣諸島など離島の防衛・奪回作戦に通じる共同訓練を日本の離島で行なう予定である。ドイツも続き、今年夏には軍艦を日本に出航させると決定した。これらの背景には、近年政策発表された、インド太平洋地域に関わるという欧州各国の戦略がある(二〇一八年に仏、二〇二〇年に独・蘭。なお、必ずしも、日本政府の提唱する「FOIP(自由で開かれたインド太平洋構想)」という固有名詞が用いられているわけではない)。

この急速な欧州各国の動きは米国の働きかけによるところも大きい。米国はNATO諸国に対し中国問題に向き合うよう呼びかけてきた。昨年七月には、ポンペオ前国務長官が民主主義国による対中同盟を呼びかけ、バイデン政権で大統領補佐官となったサリバン氏も、就任後、ヨーロッパの同盟国と取り組まねばならない最優先事項は中国であると述べている。インド太平洋調整官のキャンベル氏も「ヨーロッパの指導者は、近隣に位置するインド太平洋諸国の指導者ほど中国の強硬路線を警戒していない」「米国にとっての主な課題は、ヨーロッパとインド太平洋地域の対中アプローチに橋を架け、そのギャップを埋めること」と述べている。

■「権力の半影」の変化

米国の政権交代では四〇〇〇人以上の高官が交代し、ワシントンのシンクタンク等の専門家が政府に登用される。政権外の専門家もネットワークを駆使して政府に影響を与えようと働きかける。ケント・カルダー教授(ジョンズ・ホプキンス大学)は、このワシントンのネットワークを「権力の半影」と呼び、これが「公式なワシントン(筆者注:米国政府)と広い世界との間の関係を取り持」ち、「米政府を凌ぐほどグローバルで重要な機能を持つ」と述べる。

トランプ陣営は、これらの専門家集団(ワシントン・エスタブリッシュメント)を嫌い、距離を置いた。これに対し、バイデン政権は、従来通り、この権力の半影から多くの高官を登用している。アジア関連だけでも枚挙にいとまがなく、キャンベル氏はシンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」創設者であり、現在バイデン政権の対中戦略をとりまとめているイーライ・ラトナー国防長官特別補佐官も同じくCNAS出身で、「ブルッキングス研究所」からもジョン・パク氏が国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)に選ばれている。

もっとも、コロナ禍のために「権力の半影」のネットワークが変化しており、「開かれたインナーサークルへの足がかり」が閉じられ、コアの人々だけでの政策決定となっているという不満を耳にする。終身雇用の官僚が政策を作る日本では想像も容易でないのだが、ワシントンはホワイトハウスを頂点とした厳しいヒエラルキー社会にありながらも、そこにがる議会や専門家のフォーラムは一般の人にも常にアクセス可能であり、政府の政策に影響を与えたい人は、議会に働きかけ専門家にアクセスしてそれを実現してきた。しかし現在、面談は限られ、イベントもオンラインになり、漏れ聞こえる情報の入手や一般の人々の声を政策決定手続きに届かせることが難しくなっている。

■知日派からの報告書

トランプ氏がワシントン・エスタブリッシュメントを嫌うのみならず、彼らの側も総じてトランプ政権を嫌ってきた。知日派たちもトランプ氏を同盟軽視と批判し、共和党支持者であっても選挙でバイデン氏支持を表明してきた。

バイデン大統領就任前夜の昨年一二月、第五次アーミテージ・ナイ報告書がシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」から出版された。超党派の知日派研究者による執筆であり、執筆者共同代表はリチャード・アーミテージ元国務副長官とジョセフ・ナイ元国防次官補である。

「二〇二〇年の米日同盟~グローバルな課題と対等な同盟」と題するこの報告書は、日本を持ち上げ、「歴史上初めて日本が米日同盟を主導するか、そうでなくとも、日米が平等な立場にある」と述べ、米国の抜けたTPPをまとめ、「FOIP(自由で開かれたインド太平洋構想)」の試みを進めてきた安倍首相を高く評価している。

「対等な同盟」との評価を受け、防衛大学校の神谷万丈教授は、「はるけくも来つるものかな」とその感慨を産経新聞に寄稿した。確かに、第一次報告書「米国と日本―成熟したパートナーシップに向けて」(二〇〇〇年)では、日本で集団的自衛権の行使が認められていないことが同盟の制約であるなどと述べ日米同盟が日英同盟のような特別な関係になることを求めていた。その後、日本は軍事力を拡大し、安保法制の整備や武器輸出三原則撤廃など大きく方向を変化させてきた。その変化の多くは数年ごとのアーミテージ・ナイ報告書の提言に沿ったものであったが、「二〇年かけて彼らの期待に追いついた」。そんな気持ちになった安保関係者は日本に多いだろう。

今回の報告書は、同盟最大の課題を中国と言い切る。台湾については日本にさらなる政治的・経済的な関わりを求め、北朝鮮については、近い将来における非核化は非現実的とした上で、抑止力・防衛力を高めて封じ込めるべく日韓米協力を求めている。日韓関係の改善を求めるのは従前通りである。

特徴を一つ取り上げるとすれば、日米の防衛協力をこれまでの「相互運用」から「相互依存」のレベルにまで高めよ、とするところであろう。反撃力およびミサイル防衛の可否が日本にとっての直近の試練であるとし、前回同様にGDP比一%の日本の防衛費を問題視し、また、ファイブ・アイズ(米英加豪・ニュージーランドの機密情報共有ネットワーク)への日本加入を求めた。他、国際経済秩序の刷新、新技術分野における国際基準の設定など、様々な問題についての国際連携で日米同盟が核になるべきと訴えている。

本報告書の出版直後、加藤勝信官房長官は「政府としてしっかりと受け止めていきたい」とコメントした。

■米国が退潮しているとのマインドセット

第五次報告書もこれまで同様日本で大きく報じられた。例えばNHKは、長い解説記事をウェブ配信し、「対等な日米関係」との評価について、「国際社会での日本の存在感が高まったことを意味しています」と説明した。

しかし、これは大きな誤りである。確かにこの報告書の新しい点は、日本にいろいろと押し付けてきた感のある「知日派」が日本を「対等」と呼ぶ点である。第三次報告書(二〇一二年)では、「日本は一等国に留まりたいのか。二等国でよいなら、この報告書は必要ない」と言い放っていたのであるから、大きな変化である。

しかし、それは日本が国際社会で存在感を高めたからではない。執筆者らが米国が退潮傾向にあると強く意識しているからである。中国への焦りがワシントンを覆っており、またトランプ政権の「不適切な」外交でかき乱される中、「安定した」日本を「対等」と持ち上げ、日米同盟をリードして「正しい道」に戻すよう求めている現実がその背景にある。「歴史上、これほどまでに日米が互いを必要としあっている時はない」とするが、日本政府は常に米国を必要としてきたのであって、米国が日本に力を借りねばならなくなり始めたということのみが新しい。

■「ハブ&スポーク」から「タイヤ」に?

米国はこれまで、日米同盟、米韓同盟などの同盟関係やパートナー国との関係を使ってこの地域の覇権を維持してきた。しかし、このハブ&スポークだけでは地位を維持できなくなった実態もこの報告書には表れており、日米韓の三カ国連携や日米豪印のクワッドなどの地域における様々なネットワークの強化を提言している。また、南アジア・東南アジア諸国等からの高評価といった日本のソフトパワーまでをも利用して、アジア・太平洋地域において彼らの望む国際秩序を維持しようとしていることも窺える。

実際、すでに述べたとおり、インド太平洋調整官のキャンベル氏は、ハブ&スポークを各同盟国相互もがる「タイヤ」型にするべきと主張している。また、同報告書執筆者の一人であるマイケル・グリーン氏(CSIS上級副所長・元NSCアジア上級部長)も他の論文で、日本が東南アジアとの関係において安全保障のハブとして極めて有益な役割を果たしていると評価している。

■御しやすい日本――逆拡声器

この報告書は、バイデン政権初期に影響を及ぼそうと出版されたものであるが、それにとどまらず、知日派が自らの影響力を及ぼしやすい日本政府や日本の安保関係者らに向けたメッセージでもある。米メディアで本報告書が報じられることはまずないが、日本では常に大きく取り上げられ、日本政府の肯定的コメントもすぐに出される。この歴代の報告書はそもそも日本向けという意味を強くもつ。

これまで私は「ワシントン拡声器」という概念を用いて日米の関係を説明してきた。日本政府が日本国内で実現したい政策について、ワシントンの識者や政府に情報を与えその政策を支える発信をしてもらう。その「虎の威」を利用して日本国内で政策を実現する。日本政府の常套手段である。そのために日本政府は、本報告書発行元のCSISを始め多くのワシントンのシンクタンクに多額の資金を提供し続けてきた。結果、このような報告書が多く出されてきたのである。

他方、トランプ政権に声を届けられなくなった米知日派も、「米国はTPPに戻るべき」「日米同盟は重要」といったメッセージを日本政府や日本の識者を通じてトランプ政権に発信し続けてきた。私はこれを米知日派が日本を拡声器として使う「逆拡声器」と呼んでいる。彼らに近いバイデン政権となった今、「逆拡声器」日本を通じたメッセージと合わさってさらに強力な影響力が創り出されるだろう。

動揺する米国とは対照的にこの地域をリードしてきたとして日本(安倍首相)を高く評価する報告書は、他国(日本)を頼ってでも既存の秩序を維持しようともがいている。

■「対等」な私たちがどうするか

「拡声器」「逆拡声器」のシステムは既得権益層が国境を越えてつながり、自らの権益を維持しようとするものである。そこでは国家間の差異よりも各国内の各層間の差異の方が際立つ。「外交」を国対国の関係と捉えるのが一般的だが、実際は、米国側でも日本側でも意思を外交に反映できない人たちがおり、また、容易に国境を越えて影響力を及ぼせる人たちがいる。

この場面に出会うとき、いつも私は一〇年ほど前の「ウォール街を占拠せよ」運動の「一%と九九%の闘い」を思い出す。日本における安保・外交問題について、沖縄の辺野古の基地建設、憲法九条改正、安保法制の整備いずれをとっても、世論調査では国民の多数は反対なのである。発信力、メディアなど、日本政府に圧倒的に有利な社会構造の下でこの結果なのだから、もし社会構造がより民主的であればさらにその差は開くだろう。米中対立の激化を懸念する米国の声を取り上げたが、西太平洋に軍艦を送るヨーロッパ諸国の世論調査においても米中対立で「米側を支持」は二三%に過ぎず、「中立」が六〇%である(European Council on Foreign Relations 二〇二〇年一一~一二月)。

このギャップを埋めなければならない。米プログレッシブ議員連盟とつながる日本プログレッシブ議員連盟が昨年六月に立ち上がった。つながりを生かし、具体的な政策に反映できるようにしていきたい。

このまま行けば日本は「同盟国の力を使いながら中国を封じ込める」方向に沿って、米国ブロックの「雄」として軍事力強化の道をひたすら歩むことになる。対等と言われた喜びを紙上で語った神谷防衛大学校教授は、寄稿を「二〇二一年は、この対等性の将来にわたる持続性が問われる年になろう」と締めくくっている。

「対等」ならば、自分たちで考え、「否」ともいえる存在でなければならない。

猿田佐世(新外交イニシアティブ(ND)代表/弁護士(日本・ニューヨーク州))

沖縄の米軍基地問題について米議会等で自らロビーイングを行う他、日本の国会議員や地方公共団体等の訪米行動を実施。研究課題は日本外交。基地、原発、日米安保体制、TPP等、日米間の各外交テーマに加え、日米外交の「システム」や「意思決定過程」に特に焦点を当てる。著書に、『自発的対米従属 知られざる「ワシントン拡声器」』(角川新書)、『新しい日米外交を切り拓く 沖縄・安保・原発・TPP、多様な声をワシントンへ』(集英社)、『辺野古問題をどう解決するか-新基地をつくらせないための提言』(共著、岩波書店)、『虚像の抑止力』(共著、新外交イニシアティブ編・旬報社)など。