国防権限法におけるPFAS対策の条項維持を要求する日米共同書簡 ディンゲル議員が主導

Congresswoman Debbie Dingell
(2022年12月5日 ワシントン)

米議会プログレッシブ議員連盟の代理幹事であるデビー・ディンゲル下院議員(ミシガン州12区選出)は、日米プログレッシブ議員らとともに12月1日付で共同書簡を提出し、2023年度国防権限法(NDAA)に関して、PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)使用制限にまつわる条文を含んだまま成立させるよう求めた。

同書簡は「現在審議中の国防権限法(NDAA・2023予算年度)の上下両院の現在の法案に含まれているPFAS関連の条項は、米国内および日本を含む在外の米軍基地に適用されるべきものですが、PFASがもたらしてきた被害を認識し、この問題に対処するための適切な措置をとるという米国政府の意志を示す重要なものです」とし、「これらの条項には、PFAS廃棄物の焼却禁止、PFAS含有装備の調達規制、非軍事施設におよぶPFAS汚染の疑いに関する報告義務、PFAS汚染による健康被害に関する調査の拡大などが含まれています。私たち日米の国会議員は、この条項への支持を表明し、これらの条文が含まれたまま国防権限法を成立させることを強く要請致します」と述べる。

また、同書簡は「PFASは、米国内および日本を含む在外米軍基地において、数十年にわたり使用されてきました。PFASが周囲の環境に一度広がると、基地に隣接する地域の水を汚染し、土壌、植物や野生生物に吸収されます」と述べ、さらに「人々が汚染された水や土壌に触れたり、汚染された動植物を口にしたりすることで、PFASは人間の体内に蓄積されます。PFASには、様々な種類の癌の原因となる発癌性物質が含まれていることが判明しています。米国内外の米軍基地の周辺に住む人々は、米軍が数十年にわたってPFASを使用し続けたことにより、長期にわたって危険にさらされ続けてきました」とする。

加えて、同書簡は「私たち国会議員は、市民を守る立場にあります。その悪影響を把握しているのですから、人々の健康、幸福、生命に対する国内に存在する脅威を食い止めるために、あらゆる努力をしなければなりません」とし、「国防権限法の現在の下院案・上院案記載の関連条文に含まれているような予防措置など、被害を防ぐための方法が存在するにもかかわらず、弱い立場に置かれた人々の犠牲を知りながら放置することは、良心に反します」と結ぶ。

共同書簡の全文(英・日)はこちらを参照されたい。

ディンゲル議員は、PFAS問題に長年取り組み、これまで「PFAS行動法(PFAS Action Act)」のほか、「食品容器包装におけるPFAS使用禁止法(Keep Food Containers Safe from PFAS Act)」、「化粧品へのPFAS使用禁止法(No PFAS in Cosmetics Act)」、「PFAS等の有害物質をめぐる消防士保護法(Protecting Firefighters from Adverse Substances (PFAS) Act)」などを米議会に提出した。

PFASは人口化学物質であり、これまで2,000以上の地域における飲み水において見つかっている。PFASは残留性であるため、体内に蓄積されやすく、有害である。今日では、ほとんどの人の体内において、ある一定レベル蓄積されていると言われ、癌、生殖機能障害、発達障害、免疫機能の低下などの原因になるなど、人体に様々な悪影響を及ぼすことが指摘されている。

Dingell Leads U.S. and Japanese Progressive Caucus Members in Advocating for PFAS Protections in NDAA