【沖縄タイムス】米軍幹部が研究所批判

在沖米海兵隊のロバート・エルドリッジ政務外交部次長が、民意を無視した安保政策に異議を唱える東京のシンクタンクを「沖縄をめぐる騒音と不協和音に、新たな役者が登場」と批判するネット投稿をしていたことが分かった。

英字紙「ジャパンタイムズ」が1月、シンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」の紹介記事を掲載。エルドリッジ氏は、電子版のコメント欄に投稿した。

「理事たちの沖縄問題への立場が数十年変わらない」点を問題視し、「研究は重要だが、根拠のないうわさや偏った意見、妥協できない政策ではなく、事実に基づいて客観的、建設的にすべきだ」と主張した。

エルドリッジ氏はまた、海兵隊報道部次長のケイリブ・イームス大尉が名護市辺野古の新基地建設に抗議する人々のけがを「茶番だ」と中傷したとのジャパンタイムズ記事にもコメント。大尉の主張を補うため、「アメリカ人を串刺しにする沖縄左翼」などと題された動画を紹介し、「目を覚ませ」と呼び掛けた。

エルドリッジ氏は大阪大准教授として日米関係論を研究していたが、2009年に転身した。12日の本紙の取材申し込みに対し、回答を寄せていない。

海兵隊報道部は12日、「大統領や上官の批判、脱走の勧誘は統一軍法で禁じられているが、外部の社会問題への発言の自由は保障されている」と説明。大尉の「茶番」発言も含め、処罰対象にならないとの見方を示した。

NDは事務局長の猿田佐世弁護士が中心となって13年に設立。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元官房副長官補の柳澤協二氏らが理事を務める。在沖海兵隊の「抑止力」論の虚構などを、日米両政府と世論に訴えている。