米民主党議員と連携へ 野党国会議員らが議連

【東京】日米の進歩的なリベラルの国会議員の連携を目的とした「日本プログレッシブ議連」の設立総会が11日、国会内で行われた。米民主党で90人以上が所属するという「プログレッシブ議員連盟」(CPC)と協力し、新自由主義経済に代わる、自由で平等な社会の実現に取り組む。経済・社会や安全保障、環境問題などで既存の考え方を見直し課題解決に取り組む中で、沖縄の米軍基地についても提起していく。

議連には立憲民主と、統一会派を組む国民民主、社民などの議員が参加した。会長に中川正春元文部科学相、会長代行に近藤昭一衆院議員が就いた。事務局長は屋良朝博衆院議員(国民)が担う。

新型コロナウイルスの影響が収まるまでは米民主党の議連メンバーとビデオ会議を通じて交流するほか、米シンクタンクとも交流する。今後、ヨーロッパなど他の国の進歩的な議連とも連携していく考えだ。

近藤氏は総会で「米国は議会が大きなウエートを持っているが、そこに日本の、野党の声が届いているのかという問題意識があった。新型コロナを含む課題を国際的な連携で解決したい」とあいさつした。

屋良氏は、これまで日米関係をつないできた「ジャパンハンドラーや外務、防衛省とは別の(対話)ルートを作る。米の議連とつながることで、ワシントンの中心で基地問題を提起する」と意義を語った。

 

プログレッシブ議連 中川正春会長に聞く

「日本プログレッシブ議連」の会長に就いた中川正春元文部科学相は琉球新報の取材に応じた。米国の対外戦略が大きく変化する中で、従来の知日派経由で米国の動向を把握するのではなく、日米のリベラル系議員同士が直接議論していく意義を語った。主なやりとりは次の通り。

―議連設立の目的は。

「新自由主義経済に対する新たな社会の選択肢を模索することだ。新型コロナウイルス感染症が出て以降、社会の分断や経済的格差、レイシズムを含め、新自由主義経済の矛盾が一挙に吹き出している。世界でもう一度、中道政治を結集して連携し、もう一つの選択肢を作ることが大事だ」

―安全保障問題にはどう取り組むか。

「米国は安保分野で(議会内の)対立はない。安保で(米側と)共通項が見いだせるかは難しい面もあるが、日本サイドがリードして(議論を)構築したい。一般的に米国は世界から(軍を)引き揚げ始めている。これまで米国は民主主義や自由といった価値観を守っていくことも含めた世界観を持っていたが、米国の国益を第一に考えるようになった。その中で日本はどうしたらいいのか真剣に議論しなければならない」

―沖縄の基地問題についてはどう取り組むのか。

「方向性は決まっていないが、米側の戦略を理解した上で説得しないといけない。米国がアジア戦略をどう変えようとしているのかを頭に入れ、沖縄の基地負担軽減をなんとかものにする議論をしたい」

「日本はこれまで、米国内の日本専門家のチャンネルに頼りすぎていた。だが、米議会の中の議論は(知日派の意見とは)また違う。米国は予算も含めて議会の影響力が強い。直接、議員同士で話し合う重みは増している」