「高速炉で『ガラス固化体の隔離期間短縮と高レベル廃棄物減容』のトリック」 今中 哲二(京都大学複合原子力科学研究所) 「高速増殖炉から高速炉、そして無用の長物へ」 松久保 肇(原子力資料情報室)
経済産業省は高速炉の実証炉を2040年代に運開するとの工程案を打ち出しました。高速炉はプルトニウムを燃料とする原子炉です。その利用は使用済核燃料の再処理が前提となりますが、約30年前に着工された六ヶ所再処理工場(青森県)は問題だらけで、竣工延期を繰り返しています。
日本政府は高速炉開発の「意義」として「核のゴミ」の容量と有害度の低減を掲げています。しかし、その根拠を導き出した計算にはゴマカシが見え隠れしています。本書は、その計算のカラクリを解き明かした、京都大学複合原子力科学研究所(旧・京大原子炉実験所)の今中哲二氏による講演を収録しました。
加えて、経産省原子力小委員会の委員でもある原子力資料情報室の松久保肇氏に無用の長物となり果てた高速炉について、その開発の歴史と現状について解説していただきました。
ご一読ください。
*この活動は、一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストの2022年度助成を受けています。