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新外交イニシアティブ(ND / New Diplomacy Initiative)設立趣意書

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二十一世紀の国際社会、中でもアジアは、中国をはじめとする各国の急速な発展によって劇的な変貌を遂げようとしています。そのなかで、米国・日本を含むアジア・太平洋地域の平和的かつ建設的な外交関係の構築もしくは発展は、この地域のみならず世界の平和と安全保障にとって最重要課題の一つといっても過言ではないでしょう。

第二次大戦後、常に東西対立のフロントラインであった東アジア地域には、1990年の冷戦終結後も、引き続き冷戦構造をそのまま引きずった軍事的対立が存在し続けました。そして、二十一世紀に入り北朝鮮が核兵器保有を宣言した後、その緊張は新しい局面を迎えており、その平和的解決のためには、米国・中国を含む各国のさらなる積極的関与が期待されます。

他方、この地域の安全保障にとって最も大きな要因である日米関係にも変化が訪れています。既に「55年体制」が終わり、日本で本格的な政権交代が起こるようになった今、改定以来半世紀を迎えた日米安保条約の意義は大きく変わり始めています。出口の見えない沖縄の米軍基地問題はその象徴の一つといえるでしょう。

私たちは、今こそ、戦後・冷戦時代を含め長期にわたり信頼関係を培ってきた日米関係を重視しつつ、米国・日本を含むアジア・太平洋各国間の新たな、そして多様で重層的な信頼関係の構築とその強化に大きな努力を払うべき時であると考えます。国と国との外交が、ごく限られた人々によってのみ扱われ、かつまた、そのような状況が長期間続くことは、結果的に当事国双方の国益を損ね、その地域全体の安全保障をも脅かすことになりかねません。IT技術・インターネットが急速に普及し、市民社会が成熟していく時代における外交は、特定の人々の交渉によってのみ成果が生まれるものではなく、政界、経済界、学術界、そして市民社会が積極的に関与し、多様で重層的なネットワークの展開により行われるべきものであると私たちは考えます。

このような考えに基づき、私たちは、議員外交、知識人外交、民間経済外交、市民社会外交とでも呼ぶべきものを包括するNew Diplomacy(新しい外交)の推進を提唱します。

そして、未曽有の悲劇であった太平洋戦争という敵対関係ののちに、奇跡ともいえる長期にわたる友好関係を築いた日米関係の二十一世紀的再構築を軸に、東アジア地域の冷戦構造脱却と恒久的平和構築のための米国・日本を含むアジア・太平洋各国間の揺るぎない信頼関係の確立をめざし「New Diplomacy Initiative」を設立します。