【週刊女性 2月7日号】

トランプ大統領誕生に国際弁護士の指摘「日本が中国封じ込めに走る可能性」

週刊女性2017年2月7日号(2017/1/26)

共和党のドナルド・トランプ氏(70)は20日(日本時間21日午前2時)、米連邦議会前で宣誓して第45代米大統領に就任した。

トランプ氏は在日米軍の駐留経費についても全額負担を求めており、就任前に安倍首相と会談した後も発言を撤回する様子はない。

日米外交に詳しい国際弁護士でシンクタンク『新外交イニシアティブ』事務局長の猿田佐世氏は、トランプ氏の事実誤認を指摘する。

「在日米軍は“日本を守るためにある”と言っているが、例えば、沖縄の米軍基地からイラクやアフガニスタンに派兵するなど、日本の防衛を離れたアメリカのための基地でもあるという要素も強い。しかも、日本は駐留経費の約75%を負担している。日本国民の多くは“もう十分払っているじゃないか”と感じています」(猿田氏)

安倍首相は、トランプ氏について「信頼できる指導者だと確信した」と評している。

ところが、トランプ氏は就任演説で「ほかの国を守るために米国の莫大な資金が水平線のかなたに消えていった」などと述べた。日本はどう対処していくべきなのか。

政治評論家の浅川博忠氏は「トランプ氏は脅すだけ脅して、頭を下げに来いというスタイル。政治家らしからぬやり方だから、ご機嫌をうかがっていては相手のペースで話が進むだけ」と日本側が下手に出る姿勢を問題視する。

同盟国の日本がどうなろうとトランプ氏は関心がなさそう。前出の猿田氏は今後の日米関係を懸念する。

「駐留経費の負担増要求については、安倍政権はどう切り返すのか、あるいは切り返す気すらないのか、私たちは注視していく必要がある。トランプ氏は駐留経費の負担増だけでなく、米国が担っている世界戦略の一部を日本に負担させようとするでしょう。

南シナ海や尖閣諸島などで中国の海洋進出を阻むため、自衛隊に対応を求めてくるおそれがある。安倍首相は一見、“無理を言わないでくださいよ”と困ったようなふりをするでしょう。しかし、タカ派の政権ですから、いい追い風とみて防衛予算を増やしたり、自衛隊を増強したりする心配があります」(猿田氏)

日本が中国を封じ込めるようになる!?

日本がオーストラリアやインドとの関係をさらに強化し、中国封じ込めに走る流れが予測されるという。

「それでは中国も反発し、逆にアジア情勢は不安定になるのではないか。すでに政府に近いシンクタンクと言われる研究機関から、防衛予算を増やしなさいと政策提言が出ていると新聞で報じられました。

長らく防衛予算はGDPの1%を超えないように組まれてきましたが、1・2%に上げるべきという内容のものもあります。周りからも声が上がり、そういうムードがつくられたうえで軍備増強の決定がなされていくのでしょう」

と猿田氏。女性の眼力に期待がかかる。

「女性は子どもの将来や生活のことをよく考えているので、男性よりも危険な動きに敏感です。安保関連法制の強行採決のときもそうでした。トランプ大統領対策のことを言っているうちに、軍拡になっていたとならないよう、女性ならではの感覚でチェックしていく必要があるのではないでしょうか」(猿田氏)

海の向こうで吠えるトランプ氏の言動に振り回されず政治の動向を見極めたい。