【琉球新報2面 1/8】

ダグ・バンドー氏 一問一答 尖閣防衛、日本の決定事項

 
ケイトー研究所のダグ・バンドー上級研究員との一問一答は次の通り。(1面に関連)(聞き手・滝本匠)
 
―沖縄の海兵隊の存在について。
 
「もう立ち去るべきだ。理由は二つ。一つは沖縄の過剰な負担。もう一つは、海兵隊が米国の安全保障にとって特に不可欠なものだとは考えていないからだ」
 
―日本国内には、尖閣諸島に中国が攻めてきても米海兵隊が守ってくれるとの考えがある。
 
「海兵隊が、尖閣諸島に関してどうこうというより、米国にとっては中国より朝鮮半島で起こっていることに注目している。中国では海域、空域における軍事活動の方がもっと米国にとっては気になるところだろう。(尖閣防衛は)最終的にはあくまで日本政府が決めることで、米国が直接関係することではない」
「台湾でも朝鮮半島でも有事のようなことが起きれば、米政府が陸上戦力を使うとは思わない。海兵隊はあくまで支援部隊だ。インドネシアや東南アジアで何らかのことが起こったとしても、米国の陸上戦力が武装した状態で入っていくことは考えられない」
 
―海兵隊撤退論はどうすれば米国内で広がるか。
 
「問題の一つは、外交は一部のエリートがやっていて、国民ではないことだ。米国民に地図を見せて沖縄はどこかと問われて応えられるのは100人に1人いるかどうかだ。沖縄の意思に同調できないとかではなく、ただ知らないだけだ」
「米国内には私と同じように沖縄の負担について話す人もいるが非常に少ない。むしろ中国や韓国と絡めて米軍がいかに展開しているかを書いている人が多い。とても難しい状況だ。」
 
―日本政府が他県のことは聞くのに沖縄の民意は聞かない差別の状態にある。米政府としてもそこへ基地を置き続けるのは差別を放置しているのではないか。
 
「米政府にとっては相手はあくまで日本政府。米国民に米政府へ日本のことをよく見るべきだと求めるのも難しい状況だ。今や米国民のことも米政府には届かない状況になっている」
 
バンドー氏は二十数年ぶりに2度目の来沖で沖縄の現状を視察する。10日午後6時半からは、那覇市松尾の八汐荘で「トランプ政権下の東アジア外交と沖縄」と題して講演する。参加費は500円(ND会員・学生は無料)。問い合わせは、主催の新外交イニシアティブ(ND)事務局03(3948)7225。