【沖縄タイムス3面 1/1】

普天間飛行場の撤去へ一歩 運用見直し「辺野古不要」
新外交イニシアティブ提言 31MEUを県外移転 高速輸送船 日本が提供

 
県が米軍普天間飛行場の閉鎖、撤去に向けた独自案の策定に動き出す。名護市辺野古への移設作業を進める日米両政府に対し、「辺野古が唯一ではない」と一石を投じ、国内外の世論を喚起する狙いがある。シンクタンク「新外交イニシアティブ」(ND)や、米ジョージ・ワシントン大学のマイク・モチヅキ教授、ブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン上級研究員らは、代替施設の建設を必要としない普天間閉鎖案をまとめている。
 
新外交イニシアティブ(ND)の提言は、米軍の運用見直しにより名護市辺野古を含め、国内に新基地を造らず米軍普天間飛行場の返還を可能とするもの。現行の米軍再編後、沖縄に残る第31海兵遠征部隊(31MEU、2千人規模)の拠点を沖縄以外に移すことで、辺野古に新たな基地は必要なくなる―との内容だ。

31MEUは長崎県の佐世保にある海軍強襲揚陸艦に乗り込み、1年の半分以上の期間、フィリピンやタイなどアジアで実施される人道支援、災害救援活動訓練への参加を任務とする。

提言では、沖縄は海兵隊と船が合流する「ランデブーポイント」(落ち合う場所)でしかなく、その役割はオーストラリアやハワイでも果たすことができると指摘している。

その上で、31MEUにとって重要なのは、部隊と船との合流の利便性だとし、31MEUの拠点を沖縄以外へ移した上で、活動を支援するための高速輸送船を日本側が提供することを提案。辺野古新基地建設にかかる巨額な財政負担を高速船の提供費用に転用することで、はるかに少ない費用負担で普天間飛行場の返還が実現可能だとする。

また、31MEUが実施している人道支援・災害救助への自衛隊の積極参加を訴える。自衛隊の能力を東アジアの人道支援・災害援助に生かすことで各国軍隊との連携を深め、安全保障環境の改善に寄与すると指摘する。

さらに、海兵隊司令部が東アジアの地震や台風、干ばつなどの災害対策や各種訓練の「調整役」を担う連絡調整センターを沖縄に設置することを提案。沖縄がアジア諸国の安全保障や地域の緊張緩和に関する議論の場になることは、戦争で多大な犠牲を払ってきた沖縄の21世紀にふさわしい姿だとしている。