「米国の声」は日本メディアが作った神話 猿田弁護士が指摘

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【「米国の声」は日本メディアが作った神話 猿田弁護士が指摘】(沖縄タイムス 8/19)

シンクタンクの新外交イニシアティブ(ND)の猿田佐世代表(国際弁護士)は18日、JCJ賞贈賞式に先立ち「日本メディアと国際報道」と題して記念講演した。辺野古への基地建設や原発再稼働などを求める「米国の声」は、日本側のロビー活動や資金提供が介在して影響を及ぼし、「知日派」の意見としてワシントンから日本に届いていると述べた。

猿田氏は「ワシントンに住んでいると実際は違う」と指摘。「知日派」で名高いアーミテージ元国務副長官が普天間飛行場返還を巡り「沖縄であれだけ反対しているのだから、辺野古以外のプランB(代替案)があった方がいい」と語っていてもメディアで伝えられないとし、「米国とは誰なのか疑問が湧く」という。

日米外交に影響を与える知日派は5~30人で、日本政府から米シンクタンクへの資金提供や、知日派のいる大学への寄付があるとし「2016年は少なくとも29億円に上る」と説明。

「シンクタンクによるワシントンでの会議を日本の資金で開き、聴衆の多くは日本人。それを聞いた日本メディアが記事を書き『米国の情報』として広まる。メディアの作り出した神話だ」と指摘した。

*記事の訂正(2018/08/21 ND事務局追記):
『日本政府から米シンクタンクへの資金提供や、知日派のいる大学への寄付があるとし「2016年は少なくとも29億円に上る」と説明。』とありますが、正しくは『日本政府は、少なくとも29億円を米国内のロビーイスト(2016年)に支払っている』です。