【論壇 対米外交、次の段階へ 継続的、具体的働き掛けを】(琉球新報 4/26)

衆院沖縄3区補選の結果が出た。閣僚経験者を破り、辺野古新基地建設に反対する候補の圧勝であった。しかし菅官房長官は翌日「辺野古移設が(普天間基地移設問題の)唯一の解決策」と述べ基地建設推進の姿勢を改めて表明した。

沖縄がさまざまな手段・方法で反対の意を示しているにもかかわらず、日本政府は耳を貸さない。沖縄の米軍基地問題について私が本土の人間として沖縄の方々に一番申し訳なく思うのは、沖縄の方々は、闘いが一つ終わっても、休むことなくこの問題に向き合い続けることを余儀なくされている、ということである。昨年9月の県知事選、2月の県民投票、今回の補選、7月の参院選、そして日々の座り込み・・・。20年以上、いや、戦後70年以上、沖縄の方々は絶え間なく闘い続けてきた。

沖縄の意思を本土の政治に生かすにはどうするか。無関心な本土社会にどう訴えるか。米国にはどう伝え広めるか。一息ついていただきたい、と思いながらも、次々課題があがってくる。

私は主に米国に対する働き掛けに取り組んできたためその視点で述べるが、県民投票条例では、米国大統領に結果を速やかに通知する、とされた。玉城デニー知事は、既に東京の米国大使館で公使に県民投票の結果を伝達した。加えて、より多くの米国のポリシーメーカーたちにこの結果を伝えていく必要があるだろう。今回の補選の結果も伝えねばならない。

例えば、昨年秋の米連邦議会の中間選挙では多くの議員が入れ替わった。特に下院では新人議員が相当数誕生した。米国では珍しいことであるが、その中には外交に関心を持つ人が何人もいる。彼らは、現時点では、現状の日米外交について「まっさら」な状態であり、新しいアイディアを取り込む素地を持つ。既存の日米外交に染まる前に、丁寧に新しいネットワークを構築していく必要がある。

私が米政府・議会への働き掛けを始めた10年前と比べれば、沖縄の問題を知る米政界関係者は圧倒的に多くなった。沖縄からの訪米団が、多くの米政界の人々と面談し、伝える努力を続けてきたからである。その土台に立ち、米国への働き掛けは次の段階に進むべき時期が来ている。

すなわち、単に「結果を伝える」だけではなく、相手に具体的にどのような行動を起こしてもらうことが目標なのかを明確にした上で、人間関係を丁寧に紡ぎ、その目標実現のための継続的かつ具体的な働き掛けを行うことである。微力ながら私もその一翼を担いたい。