出版(調査・研究)

世界のなかの日米地位協定

新外交イニシアティブ(ND)
発売日
発売
田畑書店
定価
1,800円+税

日本とアメリカのいびつな関係を決定づけている〈日米地位協定〉。1960年の締結以来一度も改定されたことのないこの協定の問題点を他国と比較しながら分かりやすく解き明かし、論議するための基礎となる事例とデータを満載した決定版ハンドブック!

※執筆
新外交イニシアティブ(ND)地位協定プロジェクトチーム
相川真穂・巖谷陽次郎・川村遼平・横田純平 他

目次・詳細

目次
「世界の中の日米地位協定」発刊によせて
「旗国法原理」の呪縛を超えて「領域主権」確立へ
「対米従属構造」の解説──日米地位協定問題のポイント
前泊博盛
はじめに
猿田佐世
第一章 地位協定の概要
1.日米地位協定締結に至る経緯
2.日本駐留米軍の規模
3.地位協定上の諸問題
第二章 日本国内法の適用除外特権、米軍施設・区域の排他的管轄権
1.米国に忖度する日本政府
2.国内法の適用除外
3.米軍施設・区域の排他的管轄権(日米地位協定第三条)
4.派生する様々な問題点
第三章 航空機・ヘリ事故時の対応
1.相次ぐ悲惨な事故
2.日本の当局が捜査を主導できない背景
3.各国比較
4.改善案
第四章 航空機訓練による危険・爆音
1.米軍基地近郊での爆音被害について
2.米軍機の低空飛行訓練による被害について
第五章 刑事裁判権および身柄拘束
1.米兵が公務中に起こした犯罪
2.基地に逃げ込んだ米兵の捜査や逮捕
3.起訴前の米兵の身柄引き渡しを求めない日本政府
4.刑事裁判権及び刑事手続をめぐる国際比較
5.日米地位協定の改定に向けて
第六章 アメリカに対して損害賠償請求もできない現実
1.米軍に請求できない損害賠償
2.地位協定及び運用の問題
3.改善案
4.各国比較
第七章 環境問題
1.米軍による深刻な環境汚染
2.米軍による立入り調査拒否
3.返還跡地の水銀などの有害物質による汚染
第八章 米軍駐留経費負担
1.日本は米軍の駐留経費をいくら払っているか
2.どうして米軍の駐留経費を負担するようになったのか
3.日本の負担範囲は適切か?
4.在日米軍駐留経費負担(おもいやり予算)の推移
5.こんな物も日本の負担
6.米軍駐留経費の各国比較
7.米軍駐留経費の額・項目の見直しを
【インタビュー】
1 普天間第二小学校 窓枠落下事故について
2 米兵犯罪遺族の山崎正則さんに聞く
【コラム】
1 日米合同委員会=ブラックボックス(密室)=密約製造器
2 米軍の特権を支える外務省機密文書「日米地位協定の考え方」
3 各国地位協定比較~イタリア編~
4 ドイツにおける地位協定
5 オスプレイ配備の問題とは
6 クリアゾーンとは?
7 首都東京にある米軍基地・横田
8 日本の空はだれのもの?
9 グアムにおける米軍
10 米軍基地を撤退させたフィリピン
あとがきにかえて 対談「日米地位協定の本質」前泊博盛×猿田佐世
巻末資料 日米地位協定 条文
プロフィール

前泊 博盛 (マエドマリ ヒロモリ)
1960年生まれ。琉球新報論説委員長を経て、沖縄国際大学大学院教授。2004年、「地位協定取材班」として、JCJ賞、石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞などを受賞。著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門』(創元社)、『沖縄と米軍基地』(角川書店)、『もっと知りたい本当の沖縄』(岩波書店)などがある。

猿田 佐世 (サルタ サヨ)
1977年生まれ。新外交イニシアティブ代表。弁護士。外交・政治分野において、米議会などでロビー活動を行うほか、幅広い声を外交・政治に反映するため、研究活動、情報発信・政策提言を行っている。著書に『米中の狭間を生き抜く』(かもがわ出版)、『自発的対米従属』(角川書店)、『新しい日米外交を切り拓く』(集英社)などがある。

新外交イニシアティブ(ND)
米軍基地や安全保障政策、原発・再処理・核に関する問題、米国のアジア・太平洋戦略など、さまざまな外交課題について幅広い声を外交・政治に反映するために活動するNPO法人。政府・企業から独立した民間シンクタンクとして、調査・研究はもとより、政策提言、日米の政府・議会への働きかけなど、さまざまな活動を行なっている。

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