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「民間大使が見た日本外交—これからの日中関係を考える―」

新外交イニシアティブ(ND)シンポジウム

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2013年10月24日、「民間大使が見た日本外交—これからの日中関係を考える―丹羽宇一郎×鳥越俊太郎」を開催いたしました。大変多くの方々にご参加いただき、会場は満員となりました。参加いただいた皆さまには心から感謝申し上げます。

本講演会は、前中国大使・前伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏をお招きし、丹羽氏による基調講演(第1部)、及び、鳥越俊太郎ND理事と猿田佐世ND事務局長を交えたパネルディスカッション(第2部)という2部構成で開催致しました。

基調講演で、丹羽氏は、尖閣諸島を巡る棚上げ論の有無の議論に触れた上で、日中両国が互いに自国の主権を主張するだけでは状況は改善せず、尖閣問題はいったん「雨宿り」「タイム」状態にすべきと述べられました。そして、政府に頼らない、民間レベルでの草の根的な交流が重要だと訴えました。

第2部では、めまぐるしく変化する中国の状況や、棚上げ論の意味、などについて議論がなされ、「共産党の一党独裁という中国の政治体制は今後も続くのか。」という鳥越氏からの質問に対して、丹羽氏から、少しずつではあるが変革が起きていくと思うとの回答がありました。

続けて丹羽氏は、日中関係改善のために、そして、日本外交の取るべき進路として、安倍政権の目指す憲法改正はもとより集団的自衛権の行使や秘密保全法の制定には断固として反対する、とのご発言がありました。

また、丹羽氏は、日中両国民がお互いをよく知ることが不可欠で、そのためには草の根的な民間交流が重要になり、草の根の交流を続ける他日中関係改善の道はない、と繰り返して述べられました。

最後に丹羽氏は、「声を上げないことは賛成を意味する。自分で考えて自分なりの方法で自分の意見を発信する姿勢をもつべきであって、これは次の世代に対する責任である。」と述べられました。

大変刺激的な講演会で、多くを学ばせていただきました。「外交に届いていない声を外交に届けたい」という私たち新外交イニシアティブにエールを頂いた会ともなりました。今後もNDでは、多くの問題について、積極的に声を上げ続けていきたいと思います。